フェーズフリー住宅デザインコンペ2019 フェーズフリ―住宅賞 受賞!

 

 

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■概要

築40年の住宅をシェアハウスとして増改築しました。オーナーの農業+福祉+まちづくりの活動をコンセプトに、既存建物の良いところを活かすと共に、利用者の参加のデザインを大切にしました。この参加や協働が共振する力となり、収穫祭、音楽会、講演会などの多様な活動に繋がるという利用者にとって美しい建築デザインになったと思います。
オーナーの父である石田頼房博士自身が作った建築協定をクリアーするための協議調整にオーナー自身が参加したことや、オーナーの10の連想からデザインのヒントを得たこと、また既存住宅の改修と増築部分の間取りにおいて、オーナーと話し合いながらまとめてきたことにより、建築家が、オーナーの想いを実現させる翻訳者としてのデザイナーの役割を担いました。また施工時において、床下の炭敷、ポスト作り、ウッドデッキ作りなど様々な参加の機会を作るというオルガナイザーとしての役割は、結果として、良い意味での、「専門性の開放」ができたのではないかと思っています。そのことによって、利用者にとって、参加する楽しみの中で身近な拠点となり、サステナブルな建築になりました。

 

■背景と成果

オーナーは、父親である都市計画学の石田頼房博士の建てた家を相続し、それを活かしたいとの思いがありました。またオーナーは以前から農作業が身障者に良い影響を与えること、それがまちづくりに繋がっていることを認識し、その活動の拠点としてシェアハウスに増改築したわけです。シェアハウスにありがちな閉じたコミュニティーではなく開かれた繋がりを創るべく、リビングダイニングなどの共有部分を広く確保し、庭やウッドデッキと繋げることにより開かれた場を作りました。既存のしっかりした構造体を表出させるべく、階段上部にトップライトを設けました。また石田博士のコレクションの鶏の置物の隠喩として建物の大庇の先端をとがらせ、屋根の一部を上げ、鶏のイメージを外観に反映させました。設計や施工のプロセスにおいてオーナーや協力者が参加することにより共振する力が生まれ、このことが広い共有部分を生み出し、カウンターを備えたアイランドキッチンのデザインにも繋がるなど、利用者にとって美しいデザインになったと思います。

建物概要

所在地:神奈川県横浜市青葉区もえぎ野25-7
構造・規模:木造 2階建て改修
延床面積:141.1㎡(既存118.17㎡、増築22.93㎡)
建築面積:91.21㎡(既存63.91㎡、増築27.30㎡)
施工:㈲亀久保工務店
竣工:2018/04

受賞

2019
フェーズフリー住宅デザインコンペ2019 フェーズフリ―住宅賞